自動ドアの歴史

資料によると、古くギリシャ時代にヘロンが神殿の扉を蒸気の力により開閉した事が記録されているが、日本では、昭和初期に自動ドアが各方面に出現している。

航空母艦加賀、赤城など艦船では、格納庫の防火、防弾用として、又、当時の省線山手線の電車には、高速、安全運転の為に空圧式の自動ドアが使用される様になった。建物には当時の日劇前の東芝営業所玄関に、光線スイッチ起動による自動ドアが設置され、銀座マンの話題を呼んだが大衆にとっては、高嶺の花であった。国内で建物に自動ドアが使用される様になるのは昭和30年以降である。20年代後半にアメリカのスーパーマーケットなどに自動ドアが使用される様になり、これを受けて、昭和32年に油圧式、空圧式自動ドアが開発され、新築ビルの玄関に使用される様になった。39年の東京オリンピックを契機とした街づくりと共に、自動ドアの設置台数は年毎に伸長していった。当初、建物に供給される商用電源でのモータの速度制御が難しく、油圧・空気圧に変換して速度制御を行っていたが、エネルギー効率が低いので電気制御技術の進歩と共に、モータを直接制御する電気式が大半を占めるようになった。(現在、空圧式、油圧式の多くは、ごみ処理場等の特殊建物に設置されている。)

物を持って手が使えない場所に使うというような用途で開発された自動ドアも、銀行店舗の高級化・サービスのため、競って使用されるようになり、日本の治安の良いこともあって、40年代後半になると、広く一般店舗にも使用され一段と市場が広がり、世界一の普及率になった。

今後、技術革新が進み、生活レベルが向上するにつれて、快適な生活環境、効率的な生産環境、最適な研究環境を維持する為に、益々自動ドアの需要が増大するものと思われる。

自動ドア一般

建築物の開口部に設置される自動ドアは、人や車の接近を検出して、ドアを開き、通過を確認してドアを閉じる動作を行って、常に建物内の防音、気密、省エネ、衛生の効果を発揮しながら、通行効率を高めている。

自動ドアには開閉方式、駆動方式、検出方式、用途、取付方法などの区分がある。

開閉方式 引き戸、開き戸、折り戸、回転ドア など
検出方式 マットスイッチ、反射スイッチ、音波スイッチ、熱線スイッチ など
取付方法 無目内蔵取付、無目表面取付、床埋設取付 など
駆動方式 電気式、空圧式、油圧式
用途 ビルフロント用、ストアフロント用、産業用、門扉用 など

出典:全国自動ドア協会編集「自動ドアの知識」第12版より