コラム
【保守】コラム
2019.11.07
適切な部品交換時期とは?
自動ドアは人が通行する度にドアの開閉を繰り返します。毎日、休むことなく働き続ける自動ドアですから、定期的な検査や整備を実施するとともに、劣化した部品は交換をする必要があります。
自動ドアを安全・快適にご使用いただくために、どのタイミングで部品交換を実施するのが良いのでしょうか。
適正な部品交換時期とは?
故障発生率と部品交換時期イメージ
時間の経過に伴う故障率の変化を示したグラフを故障率曲線(通称:バスタブ曲線)といいます。
時間の経過により初期故障期、偶発故障期、摩耗故障期の3つに分けられます。故障率が上がる前、予防保全時期に部品交換を実施するのが理想的です。
メーカー推奨交換年数
お使いの自動ドアの設置環境や開閉頻度により異なりますが、メーカーが推奨する保守部品の交換時期(予防保全時期)は下記のようになります。
●汎用引き戸シリーズ
NATRUS(V型)保守部品推奨交換年数
部材 | 使用年数 | 作動回数 |
---|---|---|
①モーター(ドアエンジン) | 7年 | 300万回 |
②コントローラー | 7年 | - |
③反射センサー、光電センサー、タッチスイッチ | 5年 | - |
④ドアハンガー ウレタン製 | 状態による (参考:7年) |
状態による (参考:300万回) |
⑤レールベース アルミ製・SUS製 | - | 状態による |
⑥プーリー | 7年 | 300万回 |
⑦ベルト | 7年 | 500万回 |
⑧電気錠 SK型/SKD型/PL型 | 7年/3年/5年 | 300万回/100万回/150万回 |
⑨非常電源 | 3年 | - |
注記:
1. 推奨交換年数(開閉回数)は経験値および実績値が含まれ、標準状態を前提に決めていますので、使用条件によっては交換時期が前後する場合があります。
※常温・常湿(JIS A 1551 の試験条件による)、気象庁風力階級2以下での使用を対象としています。(火山灰などの粉塵が多い状態や潮風が吹く状態など特殊な環境時には適用できません)※標準設定(開閉速度などが出荷設定値)、標準仕様(ドア質量・サイズは最大仕様以内、電源電圧 AC100V 50/60Hz)での使用を対象としています。 ※推奨交換年数は保証期間(現場竣工お引渡し月より12ヶ月)ではありません。※保守契約のない場合及び他社メンテによる場合には、交換推奨年数が短くなる場合があります。
2. 弊社が指定する保守会社が保守メンテナンスを行っているものを対象にします。※保守契約のない場合及び他社メンテによる場合には、推奨交換年数が短くなる場合があります。
適正な部品交換時期とは?
一般的に建物の耐用年数(寿命)は、物理的耐用年数、経済的耐用年数、社会的耐用年数の3つに分類されます。
物理的耐用年数 | 装置の摩耗・劣化が進み、信頼性・安全性が低下し実質的に修理ができなくなるまでの期間 |
---|---|
経済的耐用年数 | 故障発生頻度が高まり保全費用が増大し、経済的に引き合わなくなるまでの期間 |
機能的耐用年数 | 新しい機能をもった装置の普及により、現在の機能・性能が陳腐化し、社会的要求の変化により使用が困難になった場合の期間 |
※法定耐用年数:税法で定められた減価償却期間
自動ドアの部品交換を検討するにあたっては、「安全性(ご利用者の安全)」を最も優先させなくてはなりません。
その上で、機器の状態、使用用途や役割、必要とされる性能、経済性、将来計画など、多方面から総合的に判断し、保全の時期(予防保全/事後保全)と保全の内容(維持保全/改良保全/そのまま継続使用)を決定する必要があります。
詳しくは、ナブコ自動ドアの専門家である弊社までお気軽にご相談ください。
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